野球指導者の方
二遊間を守る選手
主にバッテリーを務める選手
- 二塁ランナーのクセを見抜く力
- 二塁牽制でアウトを取りピンチから脱出できる
- 二塁ランナーのリード幅を小さくする事で1ヒットで失点するリスクを軽減できる
一点を争う試合で0死ランナー2塁が1死ランナー無しになったら得点確率は全く違います。
勝負どころで1発で2塁ランナーを刺せれば試合の流れを大きく引き寄せる事が可能になります。
今回は、25年以上の野球人生で国内でも国外で100個近く二塁牽制でランナーをアウトにしてきた自負を持つ僕が
二塁牽制でアウトを取る為のコツを読者の皆様に伝授します。
まず具体的な動き方の前に2塁ランナーをアウトにするために必要な下準備について紹介します。
【結論】二塁牽制はショートの動き方だけではアウトにならない
始めに結論から言わせていただくと
二塁牽制はショートの動き方だけではアウトになりません。
バッテリーとの呼吸もありますし、そもそも速い二塁牽制ができるスキルが投手に要求されます。
しかし、投手のセカンド牽制のスキルはショートの工夫次第で勝負になりますのでショートを守る選手は今回の記事は頭に叩き込んでおきましょう!^_^
その工夫とは、6つの下準備を行う事です。
と言うことでさっそく二塁牽制でアウトにするために下準備6つを紹介します。
二塁牽制でアウトにするための6つの下準備とは?
ここでいう「下準備」とは「情報収集」の事です。
では具体的にどんな情報収集をするのか?
それについて述べた後にショートの動き方のコツを具体的に紹介します。
ではいきましょう。
二塁牽制でアウトにするためにショートがやるべき重要な 6つの情報収集
- 投手の首のクセでリードの幅を変えているか
- キャッチャーのサインまたはジェスチャーでリードの幅を変えているか
- ショートの動きを察知してリード幅を変えているか
- ショートの声の位置でリードの幅を変えているか
- 三塁コーチャーの声を頼りにリード幅を変えているか
- 一塁コーチャーの声またはジェスチャーを頼りにリード幅を変えているか
以上の6つの情報収集を怠ってしまうと
そもそも牽制がいらない場面で二塁牽制をすることになりかねません。
極論をいえば牽制などせずに全てバッターとの勝負に集中して抑えられればいいですが、なかなかそうもいかないと思います。
的確な状況、的確なタイミングで行う二塁牽制だからそこその効果が最大化させることを忘れてはいけません。
意味のない場面でのセカンド牽制は相手になんのプレッシャーも与えられないどころか、
ランナーを気にしすぎて打者への集中力を欠き、結果的に痛打されてしまう場面もあることは理解しておくべきです。
それを踏まえた上で6つの情報収集について解説します。
①投手の首のクセでリードの幅を変えているか
投手が打者との勝負に気を取られすぎて二塁ランナーへの警戒が薄くなり
首の回数が単調になった時にリードの幅を大きく取るランナーは2塁牽制でアウトを取るチャンスがあります。
とはいえ、野放しにしていては三盗されてピンチが広がることもあるので、バッテリーと成就に連携をとって、牽制のタイミングを伺いましょう。
②キャッチャーのサインまたはジェスチャーでリードの幅を変えているか
ワンバウンド要求の変化球のサインが盗まれていたり
低めのボールを要求する為にジェスチャーで「低く!低く!」とやる事で、二塁牽制はないと予測してリードを大きく取るランナーも狙い目です。
投手の首の動きが単調になっていることに気付くランナーと同様に、走塁への意識が非常に高いランナーです。
二遊間は、変化球のサイン時の捕手のジェスチャーでリードの幅を変えているのか注視しましょう。
③ショートの動きを察知してリード幅を変えているか
目でショートの位置を確認したり、感覚でショートの位置を計らりリードを大きく取るランナーかどうか探りましょう。
中には影の動きで判断するランナーもいるので、ショートを守っていて自分の影が二塁ランナーの前まで伸びているときなどは自分の影も活用してランナーを誘い出しましょう。
④ショートの声の位置でリードの幅を変えているか
耳からの情報でショートの位置を把握してリードを大きくとるランナーかどうかも2塁牽制でアウトにするためには重要なポイントになります。
敢えてランナーから遠い位置で声を出してみたりして、その声に油断や隙を見せるような動きをしたら2塁牽制を入れてみましょう。
案外これだけでアウトになる選手は沢山います。
⑤三塁コーチャーの声を頼りにリード幅を変えているか
二遊間の動きを三塁コーチャーが声伝達することでリードを大きくするランナーかチェックしましょう。
三塁コーチャーの声が大きい場合や、コーチャーの指示頼りでリード幅を変えているチームはチャンスです。
二塁ランナーからは三塁コーチャーのジェスチャーは視界に入らないので、声によって情報を伝達する場合があります。
三塁コーチャーがキャプテンだったり、大学野球だとコーチだったりチームの核であればあるほど彼らの声でランナーは動くので
⑥一塁コーチャーの声またはジェスチャーを頼りにリード幅を変えているか
主にショートのポジションの位置をジェスチャーによってランナーに伝達したり声で教えて貰うことで、リードを大きく取るランナー。
自分では情報を整理出来ないランナーが一塁コーチャーの指示でリードの幅を変えている場合も狙い目になります。
ここまでを踏まえた上で次に二塁牽制でショートがやるべき具体的な動き方について解説します。
二塁牽制でショートがやるべき具体的な動き 4選
一通りの情報収集が終わったら次はいよいよアウトにする工程です。
上で把握したランナーのタイプを頭に入れた上で、どの様に動けばランナーを刺せるか説明していきます。
ランナーのすぐ後ろにポジションを取ってベースカバー
①と②でリード幅が大きくなるランナーはショートを守る選手の動きは関係してません。投手と捕手の動きでリードの幅を変えるランナーです。
なので
なるべくベースに近く、すぐにベースに入れる位置にポジションを取るのがベターです。シンプルな動きですね。
すこしでもアウトにする確率を上げる為に、ややランナーより三遊間からベースカバーに入る工夫があると尚いいですね。
重要なのは
ショートだけでなく、常に投手と捕手も
「あ。もしかして俺のクセでリードの大きさ変えてる?」と疑いの目を持つ事です。
自分の動きのクセが狙われていると分かれば逆手にとればいいだけなので簡単ですが、そこを見抜くには日頃からランナーの動きに注目する必要があります。
もしくは、仲間同士で
「お前の〇〇が狙われてるっぽいよ」などと会話ができればより高次元の野球ができます。
ランナーよりもベースから離れた所にポジションを取ってやや長い距離をベースカバー
こちらは①と②の動きには関係せず
ショートのポジションによってリードの幅が変わる③.⑤.⑥のランナーに有効です。
③の場合は、気配でリード幅を変えるランナーなので
ベースカバーに入る直前までランナーよりもベースから離れた所にポジションを取り、そこから一気にベースに走っていく方法が効果的です。
ランナー「ショートのポジションが自分よりベースに遠い所にいるから安心だ」と思わせることが目的です。
最初の動き方よりもやや長い距離を走りますが、バッテリーとうまく呼吸を合わせてください。
ランナーのすぐ後ろのポジションから徐々にランナーより三遊間方向へ離れて切り返してベースカバー
こちらも③.⑤.⑥のランナーに有効です。こちらもやや長い距離を走ってベースカバーに入ります。
最初から離れていると、始めから無警戒なランナーを探れますが、自分の背後にいたショートがベースから遠い所へ移動する事で、警戒心が一気になくなるランナーも存在します。
その隙を狙って一気にベースカバーに入りましょう。
ランナーよりベースから離れた場所でサードに声をかけてからベースカバー
ポジションを変えてもリードの幅が変わらない④のタイプのランナーの場合でも
ショートの声の位置で警戒心を緩めるランナーは存在します。
当然、セカンドベースに近い所で声が聞こえたら警戒心は強まりますが、
サードとの何気ない会話をベースから離れた所ですることで、警戒心を緩めてリードの幅が大きくなるランナーがいるので、
ベースカバーに入る直前まで、サードと
「サード〜そっち行きそうだねぇ〜準備しとけよ〜」とか適当な芝居を打ちましょう。
アウトにできる確率がグッと高まります。
また、具体的な動き方の3つ目で説明した
「ランナーのすぐ後ろにポジションを取り徐々にランナーから離れる」方法と
「サードと会話をする」方法の2つを合わせ技にして、、、↓
【最終奥義】
徐々にランナーから離れながらランナーの警戒心を解きつつランナーコーチャーも「リードを大きくしろ」とジェスチャーしつつショートの声もサード寄りで聞こえるから安心してリードを大きくした瞬間にセカンド刺殺戦略
を完成させましょう。
試合の展開も球場の雰囲気も一変します。
最高に気持ちがよいです。最高です。
かなり効果的ですので試してみてください。
補足
ここまで記述してきましたが、補足を2点ほどお伝えします。
【1つ目】⑤.⑥のランナーコーチャーのジェスチャーや声でリード幅を変えるランナーの場合
自分の目で見た情報や耳から入った情報でリードの幅を変えるランナーより若干リードを大きくとるタイミングが遅いです。
ランナー自身の判断でリード幅を変える過程は以下の通りです
見た(聞こえた)→リードを大きくとる
だけの過程に対して、ランナーコーチャーのジェスチャーや声でリード幅を変えるランナーの過程は
コーチャーが見た→ジェスチャーまたは声でランナーに教える→ランナーの目または耳に情報が入る→リードを大きく取る
です。これだけみたら一目瞭然ですよね。
なので、アウトにするチャンスを⑤.⑥に定めたらこのリードを大きく取るまでのタイムラグがある事をあらかじめ計算したうえで
ランナーを誘い出して牽制で刺しましょう。
ランナーにとってはランナーコーチャーは味方です。
ランナーコーチャー「リード大きくしていいよ」と言えば安心してリードを大きくします。
その隙を狙いましょう。
【2つ目】冒頭でも述べましたが大切な事なのでもう一度述べます。
ここまで、アウトにする為のノウハウを惜しげもなく全部さらけ出しましたが
とはいえ
と思う人もいると思います。
確かにそうです!全部なんて無理です!ですが。
アウトに出来なくても高次元のセカンド牽制はメリットが沢山ありますので、そのメリットを確認すれば二塁牽制の練習意欲の向上にもなると思いますのでザッと書き出していきます。
アウトにならなくても高次元のセカンド牽制がもたらす最大のメリットはリードが小さくなる事
リードが小さくなることのメリットは以下の通り
三盗の確率が極端に下がる(盗塁企画数減少、盗塁阻止率の向上)
二遊間が守備に専念できる(ヒット率の低下)
リードが小さくなった事でヒットで二塁から本塁に生還されにくくなる(失点の抑制)
リードが小さくなればバッテリーは打者に集中できる(被安打率の低下)
相手チーム内の口コミで軒並みリードが小さくなる(走塁意欲の喪失)
すべて高次元の二塁牽制がもたらすメリットです。これほどの効果があるんですがら、練習しない手ははいですよね^_^
【野球人必見】二塁牽制でアウトにするためのショートの動き
いかがでしたでしょうか。最後にもう一度おさらいします。
二塁牽制でアウトにするためには6つの下準備が必要です。
- 投手の首のクセでリードの幅を変えているか
- キャッチャーのサインまたはジェスチャーでリードの幅を変えているか
- ショートの動きを察知してリード幅を変えているか
- ショートの声の位置でリードの幅を変えているか
- 三塁コーチャーの声を頼りにリード幅を変えているか
- 一塁コーチャーの声またはジェスチャーを頼りにリード幅を変えているか
上記でランナーのタイプを把握したうえで以下の動きを実践する事で二塁牽制でアウトにする確率は上がります。
二塁牽制でショートがやるべき具体的な動き 4選
- ランナーのすぐ後ろにポジションを取ってベースカバー
- ランナーよりもベースから離れた所にポジションを取ってやや長い距離をベースカバー
- ランナーのすぐ後ろのポジションから徐々にランナーから三遊間方向へ離れて切り返してベースカバー
- ランナーよりベースから離れた場所でサードに声をかけてからベースカバー
以上になります!長い記事になってしまいましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。
二塁牽制でアウトにして、試合の流れを大きく引き寄せるバッテリーと二遊間を目指して行きましょう!