今回は打者のカウント別での正しい考え方について解説していきたいと思います。
意外とどのカウントでも漠然と打席に立ってしまっている打者は多いのではないでしょうか?
というのも僕自身、カウント別での考え方に特別に変化を持たせるわけでもなく、相手バッテリーにいいようにやられ続けてきました。
なのでこの記事を通して読者の皆様にはカウント別の打者の考え方を知って頂き、今よりもワンランクアップした手強いバッターになる手助けができるようにギュッと内容をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
ストライクカウントは全部で12種類
ストライクカウントは全部で12種類あります。
それぞれのカウントで打者が知っておくべき心構え【考え方の基本】についてざっと紹介します。詳しい内容については後述しますので参考にしてみてください。
カウント | 優劣 | 【カウント別 打者の考え方の基本】 |
---|---|---|
0ボール
0ストライク |
優劣なし | 自分の好きなコース、球種に狙い球を絞る |
0ボール
1ストライク |
投手優勢 | 1つ目の勝負の別れ目。選球眼を駆使して1-1に持ち込む or ストライクはスイングを仕掛けたい。 |
0ボール
2ストライク |
投手優勢 | フルスイングは控える。ファールOK。ポイントを後ろに置いたタイミングを取る。 |
1ボール
0ストライク |
打者優勢 | 相手は2ボールにしたくない。ストライクが取りやすそうな球種、コースに絞る。 |
1ボール
1ストライク |
投手優勢 | 2球相手の投球を見た強みを生かす。強振OK |
1ボール
2ストライク |
投手優勢 | 相手投手の決め球をファールor見切って2-2に持ち込めれば状況が好転する。 |
2ボール
0ストライク |
打者優勢 | 長打が持ち味の選手は、長打を狙えるボールに絞ってOK。なんでも飛びつくのはNG |
2ボール
1ストライク |
打者優勢 | 高打率を残す選手は、情報が揃った4球目に捉えることが多い。まさに2-1カウント |
2ボール
2ストライク |
投手優勢 | まだ投手優勢だが3-2にしたくない心理が働いている。甘い球はコンパクトにセンターへ。 |
3ボール
0ストライク |
打者優勢 | 打つ球を1ポイントだけに絞る。それ以外は打つ必要なし。ストライクでも構わない余裕を持つ。打つ気なしで見送るのはNG。 |
3ボール
1ストライク |
打者優勢 | 絶好のチャンス。狙いやタイミングが外れたら振るのをやめる勇気も。 |
3ボール
2ストライク |
投手優勢 | 3-2のなり方や投手のコントロールにもよるが、このカウントでの打撃は勝敗に大きな影響を与える。ヒットを打ちに行く姿勢は変えない。 |
以上がカウント別打者の考え方の基本になります。
野球の試合において、この12種類のストライクカウントのいずれかを1度も経由せずに1試合が終わるんてことはまずありません。
例えば、
なんてことは無いはずです。
何が言いたいのかというと、試合の優劣が決まる前に、ストライクカウントで打者と投手の間で何度も優劣が行ったり来たりしているということを認識する必要があるということです
それぐらいストライクカウントで戦略を変える、考え方を変えるのは重要ということですね。
それでは詳しい中身について解説していきます。
カウント別の考え方 【0ボール 0ストライク】
0ボール0ストライクは自分の好きな狙い球を絞ることができる自由度の高いカウントです。とはいえ、あなたの好きな狙い球を相手投手が投げられる保証はありません。
たとえば、変化球が不得意でストレートがアウトコースにしか投げられない投手に対して
・・・・お分かり頂けただろうか?狙い球が来る確率が0に近いことを・・・。
プレーボールがかかる前の段階で、相手投手の投げ方やイニング間の投球で相手投手の力量をある程度推察して、ストライクが取りやすそうな球種やコースをあらかじめ予想する癖をつけておくだけで、打率や出塁率は大きく改善される
これはもちろん学童野球のように変化球がない場合でも同じです。
この考え方はすべてのカウントで応用できますし、2打席目以降の初球打ちの根拠にもなるので覚えておいて損はないでしょう。
また、0-0は何となくストライクゾーンに投球してくる傾向が多いので、甘い球が実は多いカウントでもあります。予め相手の投手を観察し、頭を整理してタイミングがばっちり取れている打者とそれらを怠った打者では結果に違いが出て当然です。
お互いに何も手の内を見せていない初球だからこそ観察眼で主導権を握る意識が大切です。
根拠を持った初球打ちにチャレンジしていきましょう!
- 自分の好きな球に狙いを絞る
- 相手投手の力量を事前に観察し、初球を狙う根拠を持つ
- 相手投手の意図のない棒球を狙い撃つ
カウント別の考え方【0ボール 1ストライク】
0ボール1ストライクは初球に相手投手にストライクを取られ
一旦、投手が優勢になったカウントです。
このカウントは、2ストライクに追い込まれたくないという焦りから難しい球に手を出したくなるカウントです。
その焦る気持ちをグッと堪えて、初球の球も参考にしつつ狙いを定めましょう。
相手バッテリーはボール球でも1-1カウントなのでストライクでなくても構わない(コントロールの悪い投手であれば2球で追い込みたいということは言うまでもない)心境であることを踏まえて落ち着いてタイミングを合わせましょう。
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カウント別の考え方 【0ボール 2ストライク】
打者は圧倒的に不利なカウントです。
フルスイングは極力控えて、ストレート:変化球の割合を7:3もしくは8:2の割合で待つことを心がけましょう。
また、チームとして2ストライク後も狙いを絞って強く振ることをテーマにしている場合や、ストレートと変化球の両方に対応することが苦手な打者で割り切ってスイングすることが許可されている打者はチームの方針に従って思い切りよくスイングしていきましょう。
このカウントでの打率、出塁率は全カウントの中で最も期待値の低い状況ですが
フェアーゾーンに飛ばすことよりもファールならOKくらいの余裕をもって対応しましょう。1ボールをもぎ取って1ボール2ストライクにできれば、また状況が少し好転してきますので、
「打つ」よりも「ファールOK」「多少詰まってもOK」くらいの幅を持たせるといいです。
相手バッテリーからすれば折角2ストライクに追い込んだのに、甘いところへ投げて打たれるのは勿体ないという心理が働いているということも忘れずにいれば、さらに余裕が出てきます。
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カウント別の考え方 【1ボール 0ストライク】
初球がボール球になり、一旦打者が有利になった状況です。
この後に控えるカウントは2ボールもしくは1-1の並行カウントなので、相手バッテリーは初球よりもストライクが欲しい状況です。
真ん中付近に投球が集中しやすいカウントなの、打ちやすいボールが来る確率が高いです。
また、初球で相手投手のモーションや球の質を打席で感じれたので、強気に初球よりもタイミングが取れている状況です。
思い切りのいいスイングを仕掛けたうえで、仮に凡打になったとしても
- タイミングが合ってなかったのか
- 打つ高さを間違えたのか、それともコースか
と、反省がシンプルなので打撃を磨くなら0ボール1ストライクで自分がどういうバッティングが出来たのかが最も大切だと個人的には思います。
ファールになったとしてもカウントは1-1で
打者にとって不利なカウントではないので、そのあたりも余裕を持てるカウントであると認識しましょう。
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カウント別の考え方 【1ボール 1ストライク】
打者目線から見ると1-1というカウントはやや不利な状況です
その根拠としては
- ストライクを取られた場合、1ボール2ストライクとなり、より苦しい状況になる
- ボール球を見逃しても2ボール1ストライクとバッティングカウントになるものの、大きな差はない
以上の二点が言えるからです。
1ボールからの2球目がストライクで1-1になった場合は、
1ストライクからの2球目がボールで1-1になった場合は、
くらい余裕思って迎えていいカウントです。
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カウント別の考え方 【1ボール 2ストライク】
0ボール2ストライク同様に打者が不利な状況に変わりはありません。
ほとんど0ボール2ストライクの時と変わらない心境で対応してよいでしょう。
但し、多くの場合で変化球投手はこのカウントで低めにワンバウンドするような投球を強く意識します。ですから、打者は相手投手の持ち球をしっかりと把握したうえで
低めのボール球になる変化球の見極めが重要になります。
そこに集中力を使うことで2-2というカウントまで持ち込めば次第に相手バッテリーにかかるプレッシャーが出てきます。
その根拠は2-2というカウントは依然として投手が有利に違いはありませんが、ボール球になるkとがあれば3-2のフルカウントとなり、出塁を許す確率がグンと上がるからです。
詳しくはカウント2-2の解説で触れます。
勝負球(投手にとって得意なボール)で打ち取りに来る確率が高いカウント
ファールで粘ったり、ボール球を見極めて2-2にすると状況が変わってくる
(特に制球に自信がない投手は苦しくなってくる)
カウント別の考え方 【2ボール 0ストライク】
絶好のバッティングカウントです。最もストライクが取りやすい球種に絞って強いスイングを仕掛けていきましょう。
但し、例外となる場面もあるので補足的に説明します。
- コントロールに苦しんでいる投手。
- 勝負を避けられている状況での2ボールからのスイング。
- ランナーを溜めなければならない状況での強行。
主にこの3つの状況下では、スイングを仕掛けることを控えるべきです。
1つ目の、ストライクを取るのに苦労している投手に対して2ボールからスイングしていくのは余りにもリスクが大きいので控えるべきです。
3球目もボール球になって四球を貰える確率と、打って2塁打以上の結果を出せる確率を考えたときに、打たずに1球見る事のほうが確率が高いです。
仮に2ボールからヒットを打ったとしても2塁打以上でないことには四球を選んだ場合と大きな差はないからです。
また、球数の面で見ても3球で出塁を許すのと、4球以上投げて出塁を許すのでは終盤に与える影響に違いが出ます。
たとえ1球の違いだとしてもそうした小さな積み重ねが勝敗を左右するのです。
2つ目の、勝負を避けられている場面での2ボールからのアタックもリスクを伴うため、慎重に判断しましょう。
初球と2球目で、自分が勝負を避けられていることが明確な場合は、あなたを歩かせて次の打者で勝負したいという狙いがあります。
但し、ただ打席に突っ立ってタイミングも合わせずにいると、よもやの失投があるかもしれないのでしっかりとタイミングは計っておきましょう。
3つ目のランナーを溜めなければならない状況での強行もリスクと隣り合わせということは理解しておきましょう。
終盤に大量点を取らなければならないゲーム展開で、2ボールからの凡打はチームの士気を下げかねないリスクがあります。
ここでは敢えて大量点と言いましたがこれが2点差だとしても同じことが言えます。
例えば、最終回2点を追う場面で先頭打者が出塁し、あなたに打席が回ってきたと仮定します。カウントが2ボールになって、3球目を無理に打ちに行った結果、併殺打で万事休す。
なんてことになりかねません。
もちろん打つなというわけではなく、絶対にゴロにはならない高さやコースに絞って打ちに行く分には構わないですが、ゴロになりそうなボールに対して冷静に見逃されるほうが相手バッテリーにとってこれほど嫌な予感を与えるといこともまた紛れのない事実です。
それが仮にストライクで2-1になったとしてもです
ちょっと奥の深い難しい話になりましたが、ここを理解できると打席で余裕が生まれるはずです。
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カウント別の考え方 【2ボール 1ストライク】
今回の記事では、打者目線でのカウントの考え方なので打者有利の位置づけとしていますが
厳密にいえば、この後に控えるカウントが3-1(打者有利)と2-2(投手有利)なので、優劣のないカウントと言えます。
しかし、打者目線からの2-1というカウントは
- 3球見た中での情報をもっている
- 3-1はバッテリーが避けたいカウント
- 2-2になったとしても1球ボール球を見逃せれば3-2の土俵で戦える
というメリットが存在しています。
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カウント別の考え方 【2ボール 2ストライク】
依然として打者は不利な状況です。
しかし、2-2まで持ち込んだことで3-2フルカウントの可能性が出てきました。
このカウントの「落とし穴」は、注意点があります。
- 0ボール2ストライクや1ボール2ストライクの時よりも手が出にくい
- 「そろそろ来るだろう」がという気持ちが先行する
いったいどういうことか説明していくと
- 0ボール2ストライクや1ボール2ストライクの時よりも手が出にくい
これは一体どういう事かというと、次に控えるカウントが3-2なので、
ボール球を見逃せれば出塁のチャンスが一気に増えるという欲が「見る」という意識に引っ張られすぎて、厳しいコースに手が出せず見逃し三振を喫してしまうことがよくあります。
解決策としては、2-2というカウントを作ったら
0ボール2ストライクや1ボール2ストライクと同じ意識を持つことが大切です。
相手バッテリーは、「折角追い込んだのに、、、」「フルカウントにしたくない」という心境が混在しているので意外と失投が多いカウントということも知識として知っておきましょう。
- フルスイングは避けてコンパクトなスイングを
- ファールOK,詰まってOK
- 3-2まで持っていければ球数の面からみても貢献できる
カウント別の考え方 【3ボール 0ストライク】
打者が圧倒的に有利なカウントと言えます。
特段無理に打ちに行く必要はありませんが、チーム方針として「打ってよし」の許可があれば積極的に打ちに行きましょう。
但し、コントロールに苦しんでいる投手に対して、3-おから打ちに行くのは余りにもリスクが多すぎるので、相手投手の状態も頭に入れていきましょう。
3-0かヒットより
3-1から四球のほうが球数も1球多いです。
たかが1球かもしれませんがされど一球です。
- 自分の好きなポイントに絞ってタイミングを合わせる。
- チーム方針で打つことが許可されているのなら狙うのもよし。
- 但し、四球の確率が高い状況で打ちに行くのはリスクがとても大きいことを認識しよう。
カウント別の考え方 【3ボール 1ストライク】
絶好のバッティングチャンスです。自分の好きなコースにポイントを絞って打ちに行くのもよし、相手投手が最もストライクを取れるボールに狙いを定めるもよし。
注意点としては、はなから四球を狙いに行って仮にストライクを取られて3-2になった場合、一気に打者が不利になるので打ちに行く姿勢をしっかり持ってスイングを仕掛けることを意識すれば、結果的に3-1から四球になったり3-2になったとしても打者が有利な状況を維持することが可能になります。
- 絶好のバッティングチャンス。
- 自分が得意なボールを待つもよし。
- 相手が最もストライクが取れそうなボールに狙いを定めるもよし。
カウント別の考え方 【3ボール 2ストライク】
3-2フルカウントもどういった過程で3-2になったのかで
3-2の価値が変わります。
先ほども述べたように、
3-0,3-1の打者が有利な場面で打つ気もなく見逃して3-2になったのか、
0-2の絶体絶命から粘りに粘って3-2にしたのかでは中身が全く違います。
後者であるのであれば、3-2まで持ってきたことで1つ十分に仕事は出来ていると考えていいです。
勿論、出塁する事が出来れば120点ですが、相手も必死です。
と思えるのか。
と考えるのでは、その後の対応力は全く違うものになります。
3-2まで持ってきた時点で1つ貢献はできている。と余裕を持つ
1,2球ファールで粘れたら100点
出塁出来たら120点
3-2は投手対打者の勝負が、どっちに転ぶか分からないカウントです。
ここでは一例として上のような考え方を紹介しましたが、自分の中で最適な(余裕が持てる)考え方を見つけられるといいでしょう。
【意外と知らな!?】カウント別の打者の考え方のセオリーとは? まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事、カウント別の打者の考え方のセオリーをまとめると
カウント | 優劣 | 【カウント別 打者の考え方の基本】 |
---|---|---|
0ボール
0ストライク |
優劣なし | 自分の好きなコース、球種に狙い球を絞る |
0ボール
1ストライク |
投手優勢 | 1つ目の勝負の別れ目。選球眼を駆使して1-1に持ち込む or ストライクはスイングを仕掛けたい。 |
0ボール
2ストライク |
投手優勢 | フルスイングは控える。ファールOK。ポイントを後ろに置いたタイミングを取る。 |
1ボール
0ストライク |
打者優勢 | 相手は2ボールにしたくない。ストライクが取りやすそうな球種、コースに絞る。 |
1ボール
1ストライク |
投手優勢 | 2球相手の投球を見た強みを生かす。強振OK |
1ボール
2ストライク |
投手優勢 | 相手投手の決め球をファールor見切って2-2に持ち込めれば状況が好転する。 |
2ボール
0ストライク |
打者優勢 | 長打が持ち味の選手は、長打を狙えるボールに絞ってOK。なんでも飛びつくのはNG |
2ボール
1ストライク |
打者優勢 | 高打率を残す選手は、情報が揃った4球目に捉えることが多い。まさに2-1カウント |
2ボール
2ストライク |
投手優勢 | まだ投手優勢だが3-2にしたくない心理が働いている。甘い球はコンパクトにセンターへ。 |
3ボール
0ストライク |
打者優勢 | 打つ球を1ポイントだけに絞る。それ以外は打つ必要なし。ストライクでも構わない余裕を持つ。打つ気なしで見送るのはNG。 |
3ボール
1ストライク |
打者優勢 | 絶好のチャンス。狙いやタイミングが外れたら振るのをやめる勇気も。 |
3ボール
2ストライク |
投手優勢 | 3-2のなり方や投手のコントロールにもよるが、このカウントでの打撃は勝敗に大きな影響を与える。ヒットを打ちに行く姿勢は変えない。 |
以上になります。ぜひ打席の中で活用してみてください。
きっと、今までと違った野球の面白さに出会えるはずですよ^^