戦術

【重要】野球の試合におけるタイムを駆使する戦略的5つのタイミング

本記事では「タイム」が及ぼすゲームへの影響や効果を記述し、野球の試合中におけるタイムを駆使する戦略的なタイミングを紹介していきたいと思います。

皆さんのチームでも

主に、監督やコーチで、またはキャッチャーや内野手がタイムを取ることがあるのではないでしょうか?

外野手がマウンドまでタイムを取って投手に声を掛けに行っているチームがある場合はお問合せ欄からご連絡ください。(一度お目にかかりたいです笑)

  • 今タイムをとるべきか迷ってしまう
  • 効果的なタイムをとるタイミングが分からない
  • 自分がタイムをとっても流れは変わらないのではないかと不安になる
  • そんな野球人の悩みを解決すべく、タイムを取るべきタイミングとその狙いを分かりやすく解説していきたいと思います。

    野球の試合におけるタイムを駆使する戦略的5つのタイミング

    結論から言うと野球の試合におけるタイムを駆使するタイミングは以下の

    5つがより効果を発揮します。

    野球の試合におけるタイムを駆使するタイミングとその意図

  • 相手に傾いた流れを止める
  • 相手に傾いた流れを止める
  • 投手のアクシデントによる交代時、次の投手の準備が完了するまで
  • ゲームの勝負所でタイムを駆使する
  • 勝負なのか撤退なのか明確にするためにタイムを駆使する
  • では早速それぞれのタイミングで取るタイムがゲームにどんな影響を及ぼすのか、その戦略的な狙いを以下で解説していきます^^

    野球におけるタイムの持つ意味と駆使するタイミング

    近年、野球界は試合の長さが問題視され、選手や観客の健康面にも配慮するため、試合時間短縮の為に様々な施策が施されています。

    タイムの回数もその施策の中の1つという事ですね。

    ルールはその年によって変更されたり、それぞれのカテゴリーによって変わるのでしっかりと把握して活用していきましょう。

    タイムの回数にルールを設けられたのなら、そのルールの中でより効果的なタイミングでタイムという戦術を使うべきだと考えます。

    何か狙いや意図があってマウンドに集まり、その意図を共有できるとより戦略性の高いものになるからです。

    僕個人としては先ほど述べた5つのパターンが戦術的なタイムの取り方だと考えています。

    是非参考にしてみてください。

    相手に傾いた流れを止める

    相手がイケイケどんどんで攻め立ててきた時、その流れを抑止する目的でタイムを使用することがあると思います。

    相手が流れに乗り切る前にタイムをかかられる事がベストだとは思いますが、勝負事ですからこればかりは分からないですし、後手に回される事だってあります。

    そうなった時にできるだけ早くタイムを活用し、流れを寸断させる目的で使用してみてはいかがでしょうか。

    「もう少し早くタイムを取れたらよかったなぁ〜。」

    なんて反省は試合後にしましょう。試合はどんどん進みます。あなたの後悔してる時間を待ってくれるわけではありません。

    心理的状況を察して間を空ける

    ストライクが入らない。渾身のボールを打ち返された。予期せぬエラーで失点した。など投手やチームの心理が動揺する場面はゲームの中で多々あります。

    そのような場面に陥ってしまった場合にもタイムは使用されます

    しかし、根本的に一度グラついたメンタルをすぐに立て直すのは、容易ではありません。選手の精神的な強さによる部分も大きいかと思います。

    そんな時

    1. 投手(チーム)の心理に寄り添うか
    2. 気合の入った発破をかけて鼓舞するか
    3. 淡々と次に起こりうるシチュエーションを確認するか

    この辺りはスポーツ心理学の要素も入ってくるので、心理学を猛勉強してきたわけでもない僕ごときが結論を出すのはお門違いかと思いますが。^^;

    僕は3番が最も合理的と考えます。

    一度逆転されると、一気に崩れゲームの勝敗が決定付くなんてことは、皆さんも経験したりみたりしてきていますよね?

    相手がいることですから、そりゃ逆転されることもあります。ずっと追いかける展開もあります。

    大事なのは、引き離されずについていく事です。だとしたら、3番の様に次に起こりうる最善の準備と想定を怠らなければ、逆転はされたものの「ここで踏ん張ればまだ勝機がある」といった思考で、実際にその後の逆転に繋がると言う経験を積む事が出来るからです。

    精神論で慰めあったり気合を入れたりでは進歩がありません。

    精神論はダメ。と言いたいわけではなくて、勝つために考えることを諦めず、勝つべくして勝つ事が成長につながると思っているからです。

    ゲームの局面をタイムで「仕切る」。これを普段から続けることで、チームとして勝負所の感性が似てきます。これは非常に重要な事です。

    野球は点取り合戦です。

    ゲームセットで一点でも多く勝っていればいいわけで、一点を惜しんだ結果2点取られる。なんてことはよくあります。

    1点をあげていい場面は1点を献上していいんです。

    その代わりに1点もやれない部分は全員で一点を阻止する。そのスイッチが大切です。

    そのスイッチになりうるのが「タイム」になるのです。

    タイムはそんな役割も担っているわけですね^^

    投手のアクシデントによる交代時、次の投手の準備が完了するまで

    誤解を恐れずにいうと、時間稼ぎですね。

    「試合時間短縮が求められているのに、そんなんずるいやん」

    と思う方もいるかと思いますが^^:

    アクシデントですから、

    「少し時間をとって様子を見るために何球か投げてもいいですか?」

    「一旦ベンチに下げて応急処置だけしても良いですか?」

    などを審判に申し出るべきです。

    大抵の場合はダメとは言われません。審判も人間ですから^^きちんとお願いをすれば全く問題ありません。

    例えば自チームの投手が

    (相手打者の打球が当たった)(バント処理の際、足首を捻った)(投球の際、足を捻った)など

    これらはアクシデントなので、大抵は監督やコーチがマウンドに向かうと思いますが、

    その場合は上で述べたようなやり取りで時間を確保することをお勧めします。

    審判はキャッチャーや内野手がマウンドに行く場合より監督コーチがマウンドに向かった方が相対的に時間的な猶予をくれやすい傾向がありますので、

    そのあたりも知識として覚えていた方がいいですね。

    仮にそのまま投手交代になったとしても、じっくり間を取れるので、次にマウンドに送る投手に対して時間を作り出してあげることができます。

    これも大切な戦略の1つだと思います。

    ゲームの勝負所でタイムを駆使する

    例えば最終回1点リードの場面、先頭バッターがヒットで出塁、送りバントで1死2塁になったとします。

    その場合、どのタイミングでタイムを使いますか?

    無死1塁か1死2塁の二択ですが、この場合は僕自身の経験上、無死1塁です。

    タイムの効果的な使い方として、絶体絶命の窮地に立たされてからのタイムは効果がありません。

    特に投手の多くは、投げることで精一杯になります。冷静な判断が出来ない状況になりやすいのです。

    まだランナー1塁と、もうランナー2塁では、心理的な影響はまるで違います。

    無死1塁なら、この後1死2塁になった事もあらかじめ想定させることが可能です。

    『一塁ランナーが仮に生還しても、まだ同点だぞ』という一言で、その後ランナー二塁になったとしても、投手の動揺を軽減させる効果が期待できます。

    ランナー2塁になってから『生還されても同点だぞ』と伝えたとしてもその効果はまた違った事になることがほとんどです。

    最終回2点リードの場合でも基本的には同じです。

    ランナーが1人出塁した時点で、『ランナーが生還してもまだ勝ってる』ことを確認するタイムと、ランナーが2人出塁してから『2人生還されても同点』を確認するタイムでは選手の心理は全く違います。

    2人の出塁を許したら、後手に回ると踏んだら、1人出塁を許した時点で対策を打てれば相手にとっては嫌なタイミングでタイムを取ってくるな、、、となるわけです。

    その後何が起こるのか、最悪の事態を想定した上で先手先手で動ける早い行動力と

    先を見る目や勝負勘を養うことが重要です。

    野球はストライクカウントは0ボール0ストライクから3ボール2ストライクまで全部で12通りあります。

    その12通りは1試合でほぼ必ず全てのパターンを経由します。

    例えば1ストライク1ボールに一度もならなかった試合ありますか?ないですよね^^

    しかし出塁、進塁のケースは0死ランナー無しから2死満塁まで全部で24通りあります。

    これらは1試合を通じて一度もそのシチュエーションにならなかった。ということは、頻繁に起こります。

    1試合を通じて一度も満塁にはしなかったのに、

    たった一度の2塁3塁のピンチで2点スクイズを決められて負けた

    なんてことも僕は経験もしました。

    それまで全く出塁を許さなかったのに、1人の出塁でゲームの展開が大きく変わることはよくあることです。

    その潮目が変わった瞬間を逃さずに、

    「気を引き締め直す」

    タイムにはそんな役割を持たせることも可能です。

    勝負なのか撤退なのか明確にするためにタイムを駆使する

    例えば2死2塁でピッチャーが左投手のときに、打席に右の好打者次の打者が左打者の時あなたはどう判断するでしょうか。

    一般的な考え方は左投手は左バッターと対戦させた方が打たれる確率を低くすることができる。

    と考えるはずです。

    しかしその右打ちの好打者が、左投手の変化球だけが唯一苦手で全く打てない等の情報が前もって知っていたり、その試合でその情報をキャッチする事ができているのであれば

    わざわざ四球で歩かせる必要はありません。

    その場合は全球変化球で、結果的に四球になる分には構わないといったスタンスで右打ちの好打者と勝負してもいいわけです。

    その辺りの判断はバッテリーでしてもいいですし、監督コーチが判断してもいいと思います。

    1番いけないのは、勝負に行くのか勝負を避けるのか曖昧なまま勝負する事です。

    その曖昧さをなくすためにタイムを活用し、上記で述べた理由で、「勝負していい。ただし全球変化球だ」などと確認すれば、

    意識を共有できた戦略といったことになります。

    第二回WBCの決勝でイチロー選手が劇的な2点タイムリーを放ち、侍ジャパンが2連覇を成し遂げましたが

    あのシチュエーションも韓国ベンチは勝負を避ける様に指示を出していた。と後に言われてます。

    しかし、バッテリーはそのサインを見落としたのか勝負を選んだは定かではありませんが

    組織として戦略を共有できずに曖昧のまま勝負に挑んだ結果、勝ち越しを許すわけです。

    タイムは「勝負するのか勝負しないのか」曖昧になってしまった時にアウトを取れる確率が高い方を判断する時間として活用できます。

    野球の試合におけるタイムを駆使するタイミングとその意図【まとめ】

    今回はタイムを駆使するタイミングとその意図について述べてきましたがいかがだったでしょうか^^

    最後に今回の記事をもう一度まとめます。

    野球の試合におけるタイムを駆使するタイミングとその意図

  • 相手に傾いた流れを止める
  • 相手に傾いた流れを止める
  • 投手のアクシデントによる交代時、次の投手の準備が完了するまで
  • ゲームの勝負所でタイムを駆使する
  • 勝負なのか撤退なのか明確にするためにタイムを駆使する
  • 今回あげた5つのケースが全てではありませんので、あくまで決められたルールの中で、タイムを有効活用してその効果を感じてもらえたら嬉しいです^^

    ウチではこんな時にもタイム使うよー^^など教えて頂けたら嬉しいです。

    ABOUT ME
    部長
    日本一3回、日本代表5回。世界と戦った経験や25年以上の野球人生で得たことを主に未来ある球児たちのために情報を発信していきます。また多くの野球人の悩みの解決や学びのきっかけになることをブログ運営の理念に掲げます。